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                        写真と文 都城市 立元淳子さん

 私が都城市の金御岳でサシバの渡りの写真撮影を始めて今年で5年目になります。

通過するサシバや、螺旋上昇をするタカ柱をたくさん撮影しましたが、急降下するサシバを撮影したことはありませんでした。 

 2025年10月11日㈯朝の金御岳は、台風が接近中で曇り、強い風が吹いていました。

とてもサシバが渡りをするようなコンディションではありません。こんな日にサシバ観察に来る私のサシバ症候群も、だんだん重症になってきたな!と苦笑い。

霧が晴れない山や谷を見渡すと、杉のてっぺんや茂みの中にとまるサシバの姿が見え隠れ

しています。

 午前9時頃、上空の霧の中からサシバの成鳥が突然現れました。こんな天候で渡りをするつもりだったのでしょうか? このサシバをしばらく目で追いかけていたら、突然正面の

杉林の茂みを目指して急降下を始めました。やはりこの日の渡りを諦めたのかもしれません。あれよあれよという間に杉林の中に吸い込まれていきました。

 天候の悪い日に観察に来たのですが、予期せぬ行動を目にすることができました。そして

念願のサシバの急降下を撮影することができました。また今シーズンは初めて、サシバの

群れの近くにいたチゴハヤブサも撮影することが出来ました。


      📷霧の中から突然現れて、杉林に急降下を始めたサシバの成鳥

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      📷動きが俊敏なチゴハヤブサ

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文と写真 宮崎市 前田幹雄さん

 全国屈指のサシバ観察地となっている都城市の金御岳は、通過数33,322羽を記録して

10月27日に52日間に及ぶ調査を終えました。日本野鳥の会会員や有志でつくる「金御岳サシバカウンターズ」の粘り強い観察で、史上最高の33,322羽がカウントされました。

 今季の調査開始は9月6日。14日に最初の1羽を記録しましたが、その後は雨が多くほとんど飛ばずに経過しました。やっと天気が回復した9月27日に、初めてまとまった数の581羽がカウントされました。30日は5,207羽と今季最高の通過が確認されました。引き続き

10月1・2日には3,000羽台と一気に渡りが本格化。10月7・8・9・10日の4日間で約15,000羽を記録して3万羽の大台に迫りました。累計通過数は観察終了の10月27日までに過去最高の33,322羽となりました。

 金御岳サシバカウンターズは、会員の中原 聡さんが代表で、宮崎市の森本誠二会員や

小林市の藤本久美会員などのほかに、地元のサシバ愛好家など10数人で構成されています。都城盆地を一望できる展望台に椅子などを持ち込み、はるか遠くや高い所を飛ぶ粉粒のようなサシバを見つけてカウントするのは大変です。県外から毎年かけつけ応援してくれる人も多くなり、観察の精度が一段と高まったことも新記録達成につながりました。

 史上最高の記録になったことについて中原代表は「長期間の観察になりましたが、多くの人の協力もあって新記録を達成することができました。頑張ったご褒美に、お遊びの数字

33,333羽でカウントを終了したかったのですが、さすがにこれは叶いませんでした。

応援していただいた皆さんに心から感謝しています!」と語っています。

 金御岳のサシバの通過数調査は1984年スタート。温暖化や耕作地減反、里山の減少などで通過数が減少するのではと言われていました。ところが2014年には11,256羽を記録し、次第に増え始めました。2022年から21,000台に回復。2024年は初めて30,035羽となり、1986年に記録した3万羽を上回りました。今季はさらに3千羽も増えて新記録となりました。

        

        📷サシバのカウントを行う展望台

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         📷はるか遠くのサシバの群れをカウントするカウンター

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       📷サシバのタカ柱

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  • 事務局
  • 10月20日

                           文と写真 事務局 田辺英樹

2025年夏のアオバズクとブッポウソウの繁殖情報や、その他の野鳥の見聞きした 情報と

 観察メモをかいつまんでご報告します。

アオバズクに関する情報

 ・三股町の御年神社は、巣穴入りして4~5日でその巣穴を放棄してどこかに移動。今年

  の繁殖は成功しませんでした。毎年アオバズクが使う巣穴でムクドリが繁殖しており

  アオバズクがなかなか巣に入れなかったのが理由かも知れません。

 ・宮崎市内の赤江小学校は例年と同じ時期に渡来しましたが、繁殖のスタートが遅く

  ヒナの巣立ちが8月初めになりました。これまでの巣立ち日は7月15日頃でしたので

  2週間ほど遅れました。巣立ちビナ2羽のうち1羽が外敵の襲撃を受け落鳥しました。

 ・都城市の梅北小学校 営巣木の枝が伐採され繁殖しませんでした。

 ・高原小学校は順調に繁殖がすすみ7月12日に

2羽が巣立ちしました。

 ・西門川小中学校跡地では2020年ころから見えなくなったアオバズクが2024年に戻って

  きて繁殖もしているようです。

 ・新たな情報としては、宮崎市の市街地や南部の渓谷で鳴き声が確認されています。

ブッポウソウに関する情報

 ・繁殖ポイントとして知られていた、西米良村の米良稲荷橋では今年も繁殖は確認されま

  せんでした。近くで行われている土木工事が影響しているとの情報もありました。

 ・木城町の河川の橋では、繁殖が成功して2羽が巣立ったようです。

 ・日之影町では、2か所で鳴き声と視認の情報が寄せられました。

その他の鳥情報

 ・昨年までは、10月になると県内各地からエゾビタキやコサメビタキの情報が寄せられ

  ていましたが今年はあまり聞きません。見るには見たがすぐにいなくなったという話が

  多く聞かれました。

  また、南方に移動する前の夏鳥のキビタキやオオルリも目視情報も今年は少ないようで

  す。長く続いた真夏日などが影響しているのでしょうか?

           📷アオバズク ヒナ

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           📷ブッポウソウ

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           📷エゾビタキ

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           📷コサメビタキ

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