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更新日:2023年9月8日

文と写真 宮崎市 千代延好晃さん

  令和5年7月4日付のオモシロ鳥情報コーナーで「ヤマガラは、他の鳥が寄り付かない毒性のあるシキミの実が好物なのか、猛毒に対する解毒の仕組みを持っているのか・・」と紹介しました。以来、市民の森を散策する度にシキミの実の完熟度に注目していますがなかなか熟してきません。また、ヤマガラの寄り付きも確認できていませんでした。

  その後8月26日、市民の森西園(藤棚付近)でヤマガラが、未だ緑色の木の実を運んできて盛んに突いて食べる場面に遭遇しました。もしかしてシキミの実ではと双眼鏡で確認すると、思った通りシキミの実でした。観察を続けると、一心不乱に青い実を突いて中から白いもの(未だ熟していない種の中の胚など柔らかい部分?)を引っ張り出して美味しそうに食べていました(画像1・2)。シキミの実は、秋になると完熟し八角形の袋果が弾け、きれいに配列された8個の種子が飛び出すとのことです。(※画像3~許可を得て日本新薬山科植物資料館HPから引用)。

 当日私が観察したヤマガラは弾けた種子を運んできたのではなく、まだ塾していない緑色の実を食べる様子を撮影できたのはとてもラッキーでした。シキミの実は「毒物及び劇物指定令」(第2条39項)により劇物指定がなされています。この毒性のある果実が完熟するまで待ちきれないヤマガラの行動を考えると、やはりシキミの実が大好物であるのかもしれません。

  今後は、ヤマガラが持つ猛毒を解毒できる仕組みの解明について、鳥類に関する専門機関の調査研究に注目したいと思います。ちなみに今回、私が観察したヤマガラがどこからシキミの実を運んできたのかは分かりませんでした。というのは、市民の森にある万葉集歌碑の傍らのシキミの実の中には緑色の若い実は皆無だったからです。


 添付画像1 シキミを突くヤマガラ

   画像2 白いものを取り出して食べるヤマガラ

   画像3 完熟前のシキミの袋果内の状況(8角形の星形に種子が配列している)

       (日本新薬山科植物資料館HPから引用・許可済み)

   画像1

    画像2

    画像3


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更新日:2023年9月1日

ツバメの集団ねぐら高松橋下流左側の大淀川河川敷

文:事務局 田辺英樹 写真:前田幹雄、田辺英樹

 2023年8月27日に、筆者のご近所の野鳥大好き杉本さん一家とツバメのねぐら入りの観察をして来ました。現場に着くと会員の前田さんも来ており計6名での観察となりました。

 例年7月中旬から9月の初旬頃まで、宮崎市の高松橋下流左手の大淀川河川敷では、日没前に2万羽(推定)ぐらいのツバメが集まり、河川敷のヨシ原をねぐらにします。ツバメの集団ねぐらと呼ばれる一時期の住み家です。私(田辺)は、昨年からツバメのねぐら入り観察を始めて今日で7回目となりますが、毎回本当にたくさんのツバメが飛び交う光景に圧倒されます。

 繁殖を終えたツバメたちは、集団ねぐらを作ります。外敵のヘビやタカ、カラスなどから身を守るためではないかと思われます。南方に渡る前のツバメ達は、昼間はエサ取りや飛翔訓練で体力をつけて、秋になると越冬地の東南アジアに向かいます。

 8月27日は、午後6時ごろ神社前の大淀川左岸の堤防に到着しましたが、まだ明るいせいかツバメの姿は殆どありません。この日の日没時刻は午後6時45分なのですが、6時頃ではツバメの姿は殆ど見えず、ひょっとして今日は来ないのではないかと不安がよぎります。とりあえずは周辺の野鳥を観察しながら、ツバメがやってくるのを待ちました。

 日没時刻前からどこからともなくツバメが集まり始めました。あれよあれよという間にいくつもの群れができ、ねぐらにしているヨシ原の上空を舞い始めました。暗くなるにつれてツバメの数は、どんどんどんどん増えて行き、空一面を覆う程になりました。さらに暗くなると、無数のツバメがヨシ原のすぐ上を流れるように何度も旋回しています。午後7時5~10分ぐらいになるとツバメの大集団は一斉にねぐらのヨシ原に飛び込みました。しばらくするとツバメたちのにぎやかな鳴声もなくなり、一帯は急に静かになりました。一体あの騒ぎは何だったのかと思えるほどです。

 この日、野鳥大好きの杉本さん一家も初めてツバメのねぐら入りを観察。長男の慶太君は「こんなたくさんのツバメがどこから集まってくるのか不思議です。」、妹の晴香ちゃんは「ものすごいツバメの数にビックリ!」とため息交じりの感想。お母さんも「子供たちも、私も主人も一生の記憶に残る経験をしました!」と興奮気味にコメントされました。

 ツバメ以外の野鳥では、アオサギ、ゴイサギ、カラスそれと、ツバメの大群に飛び込んでいくチョウゲンボウを確認しました。真夏にチョウゲンボウ目撃、これも驚きでした。

●ねぐら入り前に空中を乱舞する無数のツバメ1

       ●ねぐら入り前に空中を乱舞する無数のツバメ2

       ●ツバメのねぐら入り感動する野鳥大好き杉本ファミリー





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事務局

文と📷写真 宮崎市 千代延好晃さん

 7月28日午後3時前、宮崎市市民の森西園を散策中のことです。上空が暗くなってきたと思ったらムクドリが大群で飛んでいました。これまで、市民の森で数羽のムクドリや、近隣住宅でヒナに給餌している場面を見たことはありましたが、ムクドリのこれほど大きな群れを目にしたのは初めてでした。この大群を見た数日前、たまたま朝のテレビニュースで、都会のムクドリの鳥害対策を取り上げていました。「みやざきの野鳥図鑑」によるとムクドリは周年群れで行動するとか、非繁殖期には夕暮れが迫ると群れが集まり集団ねぐらを形成すると記してありました。

 大きな群れには先導者がいるのか、見事なまでの輪の集団を形成して旋回しています。圧倒的なスケールでしたので、動画で撮影しようと思ったのですが、すごいスピードで移動するので設定や動作が間に合わず、止む無く連写で撮影することにしました。この大群、何羽いたのか皆目分からず、撮影した画像から10羽を特定して推測すると200羽は超えていたと思います。いつも報告をしている鳥情報ネットワークには100羽以上との連絡をしました。

 なぜあんな大きな群れで飛び回っていたのか? 見落としかもしれませんが、天敵から追われて逃げ回っていた気配はなくその原因は想像がつきません。都会ではフン害、騒音被害を与える野鳥として嫌われており、その対策が模索されているようですが、何とか共存できたら良いのになと思っています。

     📷空を舞うムクドリの大群

     📷 大群の部分拡大写真

      📷 ヒナに給餌するムクドリ

      📷 ムクドリの参考写真



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