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  • 事務局
  • 2024年5月31日

文と写真 宮崎市会員 千代延好晃さん

5月2日市民の森東園の一角で、コゲラが枯木にしがみついて懸命に巣穴作りをしていました。図鑑やネットなどによると12~3日がかりで完成させるそうです。オス・メスの共同作業で行い、仕上げはメスの役割と記してありました。1秒間に20回ほどの速さで頭を振って嘴で木に穴をあけるので、小さなコゲラさんは脳震盪あるいはそれ以上の激しいダメージを受けているのではないかと心配です。まさに命がけの営巣作業と言えそうです。それから3日程置いて様子を見に行きました。コゲラの姿が見当たらないので、「あれっ、どうしたのかな?完成にはまだ早いから休憩かな?」と思っていたらヒョッコリと穴の中から、かわいい顔を見せてくれました。コゲラの巣穴の大きさは直径約3センチ、深さ約15センチと言われていますので底の部分の仕上げ作業をしているのでしょう。穴が完成したらコケや柔らかい羽毛などのクッションを運び入れて産卵をするのだと思います。巣穴一つを作るにしても、営巣場所、巣穴を掘る樹・枝の選定をはじめ、穴の高さ・向き、雨水の垂れない枝の曲がり具合、等々を自らの判断で決定しています。本能とは言え、自らの頭で判断する思考力、完成までのたゆまぬ行動力、持続力には驚きと感動を覚えます。

 その日以後の観察は、コゲラが安心して抱卵・育雛出来るように控えることにしました。

無事に新しい家族が増えることを祈りながらペンをおきました。

   (以下の写真は、ストレスを与えないように遠くから望遠レンズで撮影しました。)

        ➊ しがみついて穴掘り

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        ❷ 木くずをつまみ出す

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        ❸ 木くずを吹き飛ばす

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        ❹ 巣の外を確認

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        ❺ 完成した巣穴

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更新日:2024年5月21日

文と映像 えびの市 上谷川則男さん

2024年4月25日 午前10時頃、御池野鳥の森で珍しいセグロカッコウの鳴き声を聞きました

「ファ ファ ファ フォー」あるいは「ファ ホ ホ ホ」と聞こえ、カッコウの鳴き声とは大違いでした。樹木の高い所で鳴いており姿は見えませんでした。


以下 セグロカッコーに関する記事 その1 宮崎市 前田幹雄さん

 日本日本野鳥の会本部が出している機関紙・野鳥9・10月号(2023年)の特集「得体が

しれない?気になる鳥」の一つにセグロカッコウが取り上げられていました。会員の中で

も「セグロカッコウってどんな鳥?」「そんな鳥がいるんですか?」などと思う人が多い鳥です。私は9年前、霧島山系の矢岳周辺で鳴いているのを聞きました。その後も渡来しているとみられます。

 特集によるとセグロカッコウは稀な旅鳥と考えられていました。2010年代になると記

録が増えはじめ、九州や中国山地でも繁殖期に鳴き声が聞かれるようになりました。最近

では中部地方や東日本まで広がり、北海道でも観察されるようになりましたなどと記載。

 夷守台(小林)の高千穂展望台で、9年前(2014年5月15日)クマタカの調査をしたことがあります。その日はウグイスやソウシチョウが盛んに囀っていましたが、遠くから「カッコー」でなく「カカコーカカコー」と調子の変わった鳴き声が聞こえてきました。

 カッコウの鳴き声は「カッコーカッコー」と明るく調子がいいですが、セグロカッコウは「カカカコー」と尻下がりでした。その印象的な鳴き声ですぐに分かりました。

 機関紙「野鳥」の特集では鳴き声について「もの哀しい感じのする、まったく雰囲気の違う声です。これはこれで悪くない特徴的な声」と解説しています。

 この特集ではセグロカッコウの写真がありました。セグロカッコウは黒っぽい褐色をしていました。どんな鳥に托卵するのか分かっていません。

プロフィール

名前:セグロカッコウ 渡り区分:夏鳥 全長:32.5㌢ 鳴声:カッカッカッコー。

食性:虫類や昆虫、小型哺乳類 特記:稀な旅鳥で西日本に渡来、数は少ない。本県では霧島山系で記録されている。


以下 セグロカッコーに関する記事 その2 都城市 中原 聡さん

霧島方面でのセグロカッコーの観察実績

2003/5/31 霧島・新燃林道    古江之人

2004/5/22 霧島・新燃林道    田中瑞雄、友貞孝明

2004/5/23 霧島・新燃林道    大阪女性2人

2006/4/28 霧島・新燃林道    江口 玄

2006/5/14 霧島・新燃林道       中原 聡

2006/5/24 霧島・高千穂河原    中原 聡

2006/6/10 霧島・高千穂河原     中原 聡、中道

2007/6/10 霧島・新湯温泉     中道 聡

2014/5/15 霧島・夷守台      前田幹雄

2014/6/11 霧島・御池       中原 聡

2016/8/22 霧島・高原町蒲牟田  中原 聡

2019/5/7  霧島・高千穂河原    中原 聡

 

 
 
 

更新日:2024年5月12日

文と写真 宮崎市 田辺英樹

 宮崎市佐土原町で4月4日、全国でも数例しか渡来実績が記録されていない

ブロンズトキを発見しました。

 当日,二ツ立調整池の浜上橋からKDDIの大型鉄塔方向に車で移動中、西側

の田んぼに、黒いサギのような鳥がいるのが目に入りました。確認の為に車を

鉄塔南の空き地に駐車し、徒歩で現場に向かいました。双眼鏡で覗くと、体色は

赤黒く、嘴がトキのように長い鳥でした。ひょっとして以前雑誌で見たことの

あるブロンズトキではないかと思いました。

 近くで作業していた農家の人に、説明とお断りをしてから畦道に入らせて

もらいました。とても珍しい鳥なので、椅子に腰かけたまま少しづつ慎重に

近づきました。途中で何回も双眼鏡で観察。ブロンズトキと確信。

40mくらいまで接近できました。

 田んぼの中を早足で動き回り、トキのような嘴でせわしなく水の底を探って

います。タウナギのような生きものや、白くて大きなミミズのような白い生き

ものを捕まえて飲み込んでいました。とにかく、せわしなく動く鳥という印象。

近くにいたアオサギやツルシギを気にすることもなくエサ採りに夢中でした。

 とても珍しい鳥なので、佐土原近辺の野鳥ファンに連絡をしましたが早めに

来れた人は観察、撮影が出来大変喜んでいました。都合がつかず15時頃に来た

人からは「いなかった、残念!」と連絡がきました。

 想像するしかありませんが、3月末に強風の日が続きましたが、この風に

乗って宮崎の地に来てくれたのかも知れません。

       ↓宮崎初確認のブロンズトキ

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       ↓羽は暗緑色。構造色なので晴れた日は輝く緑色になると思われる。

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       ↓散歩の人に驚いて飛んだが、近くの田んぼに舞い降りてエサ採り再開。

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