文と写真 前田幹雄さん
趣味で野鳥観察を初めて35年になりますが、野鳥の意外な行動に驚くこと
があります。
2024年10月25日午後3時半ごろ、宮崎市の東大宮小近くの駐車場でムクドリ
の群れがナンキンハゼの実を食べていました。空腹だったとみえて私が近寄って
写真を撮っても気にせず食事に夢中でした。
カメラが電池切れになり、車に乗ろうとドアを開けた時です。上空にチョウ
ゲンボウが飛んできました。「チョウゲンボウがくる季節になったか」と思い
ながら眺めていました。その時です。近くにいたムクドリ70数羽が一斉に飛び
出し、チョウゲンボウの後を追跡し始めました。
先頭の10数羽がチョウゲンボウに迫りました。チョウゲンボウもいきなりの
攻撃に驚いたのか、慌てふためいて飛び去りました。ムクドリたちは撃退に
成功すると、しつこく追跡はせずナンキンハゼに戻って再び食事を始めました。
今回ムクドリが行った行動はモビング(偽装攻撃)と言えます。自分のテリト
リーに侵入してきた鳥を追い払うための威嚇の行動です。カラスはしばしば
モビングをします。猛禽が飛んで来ると、どこからともなく現れて侵入者に
アタックします。トビがカラスに追いかけられるのはよく目にする光景です。
しかし双方が傷つく程の攻撃ではなく威嚇の行動ですが、遊びでちょっかいを
出すこともあります。
今回のようなムクドリのモビングはとても珍しい行動でした。
ムクドリが猛禽をモビングする決定的な瞬間を電池切れで撮れなかったのは
不覚の致すところでした。
📷ナンキンハゼの実を食べるムクドリ
📷参考写真 カラスにモビングされるカラフトワシ
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