文と写真 宮崎市会員 千代延好晃さん
5月2日市民の森東園の一角で、コゲラが枯木にしがみついて懸命に巣穴作りをしていました。図鑑やネットなどによると12~3日がかりで完成させるそうです。オス・メスの共同作業で行い、仕上げはメスの役割と記してありました。1秒間に20回ほどの速さで頭を振って嘴で木に穴をあけるので、小さなコゲラさんは脳震盪あるいはそれ以上の激しいダメージを受けているのではないかと心配です。まさに命がけの営巣作業と言えそうです。それから3日程置いて様子を見に行きました。コゲラの姿が見当たらないので、「あれっ、どうしたのかな?完成にはまだ早いから休憩かな?」と思っていたらヒョッコリと穴の中から、かわいい顔を見せてくれました。コゲラの巣穴の大きさは直径約3センチ、深さ約15センチと言われていますので底の部分の仕上げ作業をしているのでしょう。穴が完成したらコケや柔らかい羽毛などのクッションを運び入れて産卵をするのだと思います。巣穴一つを作るにしても、営巣場所、巣穴を掘る樹・枝の選定をはじめ、穴の高さ・向き、雨水の垂れない枝の曲がり具合、等々を自らの判断で決定しています。本能とは言え、自らの頭で判断する思考力、完成までのたゆまぬ行動力、持続力には驚きと感動を覚えます。
その日以後の観察は、コゲラが安心して抱卵・育雛出来るように控えることにしました。
無事に新しい家族が増えることを祈りながらペンをおきました。
(以下の写真は、ストレスを与えないように遠くから望遠レンズで撮影しました。)
➊ しがみついて穴掘り
❷ 木くずをつまみ出す
❸ 木くずを吹き飛ばす
❹ 巣の外を確認
❺ 完成した巣穴
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